
知らぬ間にコントローラーで人生を動かしていた、ゲーム歴25年のタレント櫻井ゆりの
2019.2.8
柔らかなファルセットボイスに、朗らかな笑顔、気品漂う佇まいの櫻井ゆりのさん。そんな彼女の印象が変容するのはゲームコントローラーを握った瞬間。瞳の奥に興奮を宿らせながら、熟練された指さばきを見せる姿は、静かな迫力さえ感じさせます。そんな櫻井ゆりのさんの人生の岐路には、いつだってゲームがありました。今回はゲーム、そしてアニメに並々ならぬ情熱を注ぎ、e-SportsなどのイベントMCとしても活躍する、タレント櫻井ゆりのさんの人格を形成したプロセスを探っていきたいと思います。
こんな内容
ゆりのさんが日常的に行う自分だけの「マイルール」はありますか?
上京するときに実家から持ってきたキャラクターの抱き枕がないと寝れないんです。洗いすぎて色がハゲてきてしまって、もはや違うキャラクターみたいになってしまってるんですが(笑)部屋はキャラクターもので渦巻いています
ゆりのさんは、幼少期からアニメやゲームに触れることが多かったのだとか?
アニメは幅広く見ていますね。ゲームは家族みんなが大好きで、4歳の頃からファミコンやゲームボーイをしていました。我が家は『学校のことをきちんとやっていたらゲームは好きなだけしていていいよ』という教育方針で。実家には全部合わせて500本以上のソフトがあったと思います
最初にのめり込んだゲームは?
父は学生の頃、甲子園出場経験があるんですが、たまたまその年の甲子園の野球ゲームが販売されていて。父が選手として登録されているんです。ゲームにハマったのはそれがきっかけかもしれないですね。でも、父を配置してプレイしてみると、弱くって(笑)
それは、なかなか希少な体験ですね。
そうですよね。それからは兄の影響でRPGにハマり始めました。ファイナルファンタジーやドラゴンクエスト、キングダムハーツは全シリーズクリアしましたね。睡眠時間を削って15時間連続でプレイしていたこともあります。最近のRPGはクリアした後にもやり込み要素があったり、新しい展開がダウンロードされたりして終わりがないんですよね……
ゲームの中でもRPGが好きなんですね。
今は特にポケモンが大好きですね。ポケモンも赤と青の初期から最新のウルトラサン、ウルトラムーンまで全て網羅しています。ポケモンのグッズには何百万円とかけているかもしれません。この前も実家に帰省したとき、20年間食べ続けてきたポケモンパンの付録のシールを数えてみたんです。そしたら1500枚もあって、自分でも驚きました(笑)
膨大な数字から愛情の深さが伝わります。
私は京都出身なんですが、ポケモンが始まった当初はポケモンセンターが大阪にしかなくて、よく大阪に通っていたのを覚えています。友達と街を歩いていても、何も言わず吸い込まれるようにポケモングッズや最新作のポスターの方に歩いていくらしくて。無意識だったので友達に指摘されてハッとしました(笑)
京都から上京したのは何故?
ポケモンはゲームだけじゃなくてアニメも好きだったんです。主人公サトシの声優をやっている松本梨香さんにどうしても会いたかったですし、一緒に仕事をすることを目標に上京しました。上京後は、都内で開催していたゲームやアニメのイベントによく出向いていていましたね。今のお仕事もイベント会場でスカウトされたのがきっかけです
松本梨香さんと会うことは?
できました!アニメの実写版の舞台で、松本梨香さんがゲストとして出演されて共演できたんです。初めてお会いできたときはとにかく感動しましたね
その後、王様のブランチのリポーターに?
はい。王様のブランチは京都にいたときに、BSのチャンネルで見て知りました。そのときたまたまゲームの特集をしていて興味を持ったんです。ゲームだけじゃなく、グルメや映画など幅広い世界を知ることができるのも魅力だと思って2013年にリポーターのオーディションを受けました。オーディションでは、アニメ鑑賞が趣味というところに興味を持っていただきましたね
どのような会話が繰り広げられたのでしょう?
その当時はゴールデンから深夜アニメまで一週間100話分くらい見ていたんです。熱量を持って語っていたら『そこまで喋れるんだね』と言ってもらえて。中には軽く引いてる方もいらっしゃいましたね(笑)
見事選考に通りリポーターとして活躍されたゆりのさん。リポーターをしていく中で苦労したことは?
生放送だったので、決まった秒数の中でコメントを収めなくてはいけなかったり、速報が入って臨機応変に対応しなくてはいけないのは苦労しましたね。それと、ゲストの方のラフな話し言葉を修正しながら会話を続けるように努めました。また、司会進行をすることを求められることも多かったので、アナウンサ一の方から直接言葉の勉強をしていただいたり、滑舌、発声のトレーニングをしたりもしましたね
リポーターは、アドリブに応えるシチュエーションも多いイメージがあります。
そうですね。台本がないレジャースポットの紹介やグルメレポートは自然な感想を言えるまで時間がかかりました。リポーター時代は、友達とご飯を食べていても大げさにリアクションするのが癖になっていて、『もっと普通に食べて』って突っ込まれたりもしましたね(笑)
ゆりのさんの人生の要の部分では必ずゲームやアニメが登場しているんですね。
本当にそうです。実はタレント活動を一度お休みした時期もあったんですが、ゲームに関するお仕事がきっかけで復活できたんです。子どもの頃、ゲームを自由にさせてくれていた両親に感謝しなくちゃいけないですね。
今後はより多くの方にゲームの面白さを伝えていく司会業が出来たらなと思っています。
今後はより多くの方にゲームの面白さを伝えていく司会業が出来たらなと思っています。
Interviewer:いちじく舞
Photographer:Kyota Hashimoto
Photographer:Kyota Hashimoto
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この記事を書いた人:≠REPROFILE編集部