2023年7月に長野県のごみ処理施設で粗大ごみの中から見つかった現金9万円を遺失物として届け出ずに、そのうちの5万円を職員が飲食に使用した問題がありましたね。
2024年6月28日に職員1人を懲戒処分、2人を訓告や口頭注意にて指導したと発表されました。
この問題で問われていたのは、
- 発見した現金を遺失物として警察に届け出なかったこと
- 現金を職務に関連しない目的に使用した管理上の問題
この事件の背景や処分について、いろいろな議論がありましたので少しまとめてみたいと思います。
ごみの中から発見した現金はどう扱えばいいの?
ゴミは誰のもの?
結論から言うと、
- 基本的にゴミとして廃棄されたものは誰のものでもない
- ゴミ捨て場の管理人が明確な場合は、所有権は管理人にある
ゴミ捨て場にあるゴミは持ち帰ってもいいの?
ゴミ捨て場の管理人がいなければ、ゴミは持ち帰っても罪にはなりません。
ただ、大体はその自治体の条例などでゴミ捨て場からの持ち出しを禁止していることが多いです。
ゴミと一緒に捨てられた現金は誰のもの?
ゴミの中に入っていた現金は「遺失物」であり、警察への届け出の対象になります。
「遺失物」とは?
持ち主が誤って落としたり、置き忘れてしまったもの
今回の場合、粗大ごみに紛れ込んでいた現金を発見したら、担当部署へ報告と見つけた現金を提出→警察に届け出る義務があったのですね。
粗大ごみを捨てた持ち主が、そこに現金があったと知っていたかどうかは別として、自分のものではない現金を拾ったら警察に届け出るように法律で決められています。
粗大ゴミからでた現金で飲食をした職員の処分は?
粗大ゴミから出た現金を届け出ずに使用した場合の法的な処分について調べましたが、「遺失物横領罪の可能性がある」、「特に罪に問われない」どちらの意見もあり詳しい状況の精査が必要なようです。
この事件では職員10人が飲食しましたが、手紙の告発後に警察に届け出をしています。
そして今回は、飲食には参加しなかったものの使用を黙認してきたなどとして、47歳の係長を戒告の懲戒処分にしました。
管理責任が問われたのですね。
他の職員2人について訓告や口頭注意で指導し、再発防止策として適正に扱うマニュアルを作成した、としています。
ごみ処理施設の職員処分に対するネット上の意見(ヤフコメ抜粋)
YAHOOニュースのコメント欄には、この処分や背景に関する意見が多数ありました。
確かに届けをださなくてはいけないことではあるが、、政治家が汚職していても罰せられずにいる中で、誰かがやらなくてはならない人気のない仕事を毎日やってくださっている人達に対しての罰が大きいと思う。
一般人は普通に罰を与えられるのに、なぜその何百倍、何千倍もの金額を着服している政治家が罰せられないのでしょう。
捨てる側も、ゴミを捨てる時に大事なものが混ざっていないかどうかチェックしてから捨てていないのだから、そのお金の持ち主だった人にとってはたいして重要ではないお金なんでしょう。
道端に落ちていた場合と違い、ゴミとして捨てた時点で持ち主から所有権は離れているんだから、職員で使っていいと思います。「100万円以上まとめて出た時だけ届け出る」とか、国が基準を作ってあげればいいと思います。
個人的な感想ですが、ゴミの中から出てきたんだったら別に使っても良いと思いますね。
単に道に落ちてるお金だったら、捨てたかどうか分からないので使ったらダメですけど、ゴミは捨てられたものですからね。ゴミをリサイクルして現金にする仕事もありますし、現金そのものも業者の収益として問題ないと思います。
揉め事を避けるなら、ゴミの中で見つけた現金については、その施設内で取り決めを作ればいいでしょう。みんなで焼肉食べに行ってください。
以前プラスチックリサイクル会社に勤めていました。 リサイクルする過程で磁選機という金属を回収する機械があるのですが、毎日数百円の硬貨が出てきます。 破砕機で変形してるのである程度溜まったら銀行で交換してもらい、みんなで交流会してささやかな親睦会してました。
法律上、故意であれ過失であれ、ゴミに出ている=所有権を放棄しているわけだから、今回の場合、処理施設に「持ち去り禁止」「廃棄物の所有権は〇〇に帰属する」などと表示されていない限り見つけた現金は使用してもOKです。
これはあくまで法律上の話なので、今回の件で作成されたとされるマニュアルの中身が気になるところです。
職員の権限で使用できるようなマニュアルだったら良いですね。
誰かひとりで横領じゃなくてみんなで焼肉にしたんだから言わないでやれよと思ったけど、告発があったってことは誘われなかったとか元々仲が悪い従業員がいたのかな
現金に限らず高価なものも出てくるだろう。どれも捨てたものだから、価値があるものは手に入れても良いとなると、仕事よりも宝探しに意識が働く。そんなものは滅多に出ないから心配する必要はないかもしれないが、規律は遵守すべきである。そうは言っても少額なら、ラッキーと思い、仲間と焼肉でも食べたくなる気もわかる。やはり、紙幣や高価なものは、捨てられたものではなく、なくなったものだということでの処理が望ましいし、それで持ち主が現れなくなったら、盛大に焼肉パーティーでもやれば良い。やはり手順は踏むべきだろう。
このほかにも、同業で同じような状況下での現金私物化が習慣となっていること、ゴミを持ち帰ってリサイクルショップやネット出品されている事実があるなどのコメントもありました。
まとめ
今回の事件について寄せられた意見をまとめてみました。
- 粗大ゴミにまぎれた現金の取り扱いについて、警察に届け出ることは必要
- 現金拾得から届け出までのマニュアルがなかったことも問題
- 過酷な環境下での労働なので、心情的には飲食などみんなで楽しんでもらいたい
- 同じようなケースは多いので届け出をするにも国が基準をつくるのが良い
- もっと悪質で重い処分が必要なケースがあるはず
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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