兵庫県斎藤知事が職員や関係者に対してのパワハラ疑惑で、7月19日に百条委員会が開催されることになった矢先。
告発した元県民局長が亡くなられました。
報道では自殺とみられているとのことです。
このショッキングな情報をうけて、兵庫県斎藤知事の進退に対し報道が激化してきました。
一体この事件では何が起こったのでしょうか?
今日までの流れを時系列でまとめていきたいと思います。
兵庫県斎藤知事のパワハラ疑惑の内容を時系列でまとめ
発端からの経過
- 2024年3月中旬
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兵庫県の県民局長だった男性が一部の報道機関などに「告発文」を送付したことが発端です。
告発文の表題は「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」
兵庫県斎藤知事がパワハラや選挙違反をしているとの内容でした。
「知事のパワハラは、職員の限界を超えている」と。
- 3月27日
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斎藤知事は、この告発文の内容を「事実無根」「嘘八百」などとして、この告発した男性職員に対し「被害届・告訴」を検討すると会見で発言しました。
- 5月7日
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県の内部調査で「核心的な部分は事実無根」とされて、告発した元県民局長は、停職3ヶ月の懲戒処分にされてしまいます。
- 5月15日
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県議会が県職員へアンケート調査を実施。
しかし、「人事権のある人が調査をするので、報復を恐れて事実を話せない」
と元県幹部がTVの取材に対し証言。
文書の一部が事実と判明したのです。
その後内部調査では客観性に欠けると複数の県議会議員からの要請があって、第三者委員会の設置が要請されました。
- 5月21日
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第三者委員会の設置が決定されました。
- 6月7日
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知事が会見で「表現が行き過ぎた点には反省している」とコメント
- 6月24日
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県議会でより調査権限の強い百条委員会の設置が決定しました。
- 6月27日
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2回目の百条委員会の会合で、告発文をかいた元県民局長に7月19日に行われる3回目の百条委員会への出頭を要請しました。
- 7月7日
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告発した元県民局長が死亡したと報道。
死亡の原因は自殺とみられています。
遺書に知事や兵庫県政への怒りをしたためていたと報道される。
- 7月10日
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兵庫県職員労働組合が、知事へ辞職を要請も拒否
- 7月12日
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片山安孝副知事が辞職する意向を表明
- 7月19日
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3回目の百条委員会開催。
知事の発言とされるワインをおねだりする音声の再生。
今後実施される県職員アンケートが当初の7000人から任用職員を加え9700人を対象にすること、アンケートの回答にあたって個人情報の保護が重要であることも確認された。
しかし、県当局から県職員に向けた「百条委員会に証人として承知された場合の手続き」について、その内容に問題があるとして内部資料を提示。
【百条委員会に関する各種服務について】と称した内部資料。
「委員会から職務上の秘密または職上知り得た秘密が含まれる事項について出頭または出席の要請があった職員は守秘義務免除の申請手続きを行う」とあり、「(守秘義務免除の)対象となる内容は最小限のものとする」、さらに「各部総務課宛に申請し、これを各部総務課長が承認する」――。
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「百条委員会で証言する場合は、事前に証言内容を上司に報告せよ。証言内容は最小限。」
百条委員会への調査妨害ではないかとさらなる波紋を広げる事態に発展。
- 7月23日
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内部告発文書に記載されていた病気休暇中の男性職員が4月20日に亡くなっていたと公表される。
- 8月2日
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第4回百条委員会開催。
8月30日の百条委員会に斎藤知事の証人尋問を実施することを決定。
一連の問題対応にあたっている県政運営の幹部(理事、総務部長)が体調不良で離職や休職中であると公表
- 8月22日
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百条委員会が実施したアンケートの自由記載の欄に新たな疑惑の書き込みがあった。
社交儀礼レベルを超えた贈答品の受領の疑い
- 但馬地方の出張の際、手土産として用意されたカニを職員が断ったにも関わらず斎藤知事がほかの職員の分も持ち帰った
- 養殖業者からカキをもらった際、独り占めして全部自宅に運ばせた
- スポーツメーカーとの面談時に「その靴欲しいです。白い靴が欲しいです」などと発言した記録を読んだ
- 皮革工場を視察した際に、高級な革ジャンを所望したが断られたと聞いた-など
- 8月23日
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第5回百条委員会・6名の職員に対し承認尋問
- 8月30日
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第6回百条委員会・斎藤知事の証人尋問でパワハラ疑惑は否定、内部告発職員の処分は適切と発言。知事は続投の意向。
- 出張先の施設玄関前を20m歩かされ叱責した件:「車の進入禁止エリアだと認識していなかった。車止めを外すのを失念していたのではないかと思い、大きい声でそれなりに強く指摘した。職員への過大な要求ではなく合理的な指摘だった」
- 内部告発者の懲戒処分について:「告発文書には事実でないことが多く含まれる。誹謗中傷性の高い文書であると認識。処分は適切」
- 県職員アンケートで叱責など多数の記載があったことについて:「言い方が厳しかったり強くなったことで、職員の皆さんに不快な思いをさせたことは反省したい。もしそういった方がおられれば謝りたい」
- 休日、深夜の業務チャット:「業務上の理由で指摘したい必要性はある」「忘備録的に送ったつもりだが、返事は明日とか、週明けとか明示すべきだった」
- パワハラ体質があるのでは?:「仕事については厳しくさせていただいている面がやっぱりある」「職員に不快に思わせてしまっているとすれば過去は取り戻せない。」「これからはもっといい知事としてやっていきたい」
- 9月4日
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知事と幹部職員が交わしたチャットの件数4885件、うち2165件が深夜・休日などの勤務時間外だったことが判明
- 9月5日
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百条委員会予定:県の公益通報への対応についての証人尋問。
- 9月6日
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<公益通報保護法に詳しい有識者・山口利昭弁護士の見解>
- 今回県議会議員や報道関関係者に文書を送ったことは、通報者が守られるべき「外部公益通報」にあたる
- これまでの県の対応に通報者保護に欠ける点があったことはが推認される
<斎藤知事2回目の証人尋問の回答内容>
<公益通報の対応についての回答>
- 告発文書を内容を把握した時点で「事実ではないことが含まれていると感じたので、誰が作成したのか作成したした意図をしっかり把握することが大事だと指示した」
- 文書は誹謗中傷性が高く噂話であり、公益通報にあたるとは思っていなかった
- 第3者機関での調査は考えなかった。人事課の調査で十分という話になった
- 懲戒処分とした対応について「法的には問題ない。手続き、県や知事としての対応に問題はなかった」
- 元局長が亡くなられてことに対して「大変残念で辛い、お悔やみを申し上げたい。ただ亡くなったことは本人しか理由がわからないところがある。自分としては対応はしっかりやってきた」
<おねだり疑惑への回答>
- 多くは知事の応接室にあるか、倉庫に保管している
- スポーツウエア会社との癒着はない
- 地元産のカキ、かに、ワイン、日本酒、タマネギなどは受け取ったことがある。
- 食べ物など消費するもの、生ものなどは出先でもらって直接家に持って帰ったことはある
<道義的責任について>
道義的責任というものが何もわからないので、明確にコメントできない。
今の県政の状況を招いていることについては、県民の皆さんに本当に深くお詫びを申し上げたい
- 9月7日
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大阪府知事・吉村洋文共同代表が、斎藤知事に辞職を説得するも拒否
- 9月9日
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維新の会が、斎藤知事に辞職と出直し選挙のを求めるも続投の意向を表明
- 9月12日
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兵庫県議会が議員全員の辞職要求意向を表明するも、知事は拒否
- 9月19日
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兵庫県議会が、斎藤知事に対し不信任決議案を提出、全会一致で可決
- 9月26日
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斎藤知事は不信任決議を受け、「失職」を選択するとコメント
- 9月30日
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9月30日づけで、斎藤知事は失職。
- 10月1日
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失職に伴う兵庫県知事選挙投開票が11月17日に行われることが決定。
斎藤知事は立候補
前尼崎市長も出馬する見込み
告発分文の内容まとめ
告発文には7つの項目が書かれていました。要約してまとまていきたいと思います。
1.ひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長逝去に至る経緯
令和6年3月5日に、副知事がひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長を訪ね、機構の副理事長2名の解任通告をした。
その翌日に理事長が急性動脈解離で急逝。
何が問題かというと、結論を先に言うと斎藤知事の理不尽な圧力です。
理事長が右腕として頼りにしてる副理事長を、ふたりとも解任させるなんてもってのほか!
理事長怒りMAXで心労がたたって、急性動脈解離を起こしてしまったじゃないか。
理事長に対する圧力が原因で亡くなったのではないか?ということのようです。
2.知事選挙に際しての違法行為
- 令和3年7月18日に行われた兵庫県知事選挙のとき、兵庫県職員4名が選挙期間以前から斎藤知事に投票するよう事前運動を行った
- 選挙公約の作成、選挙期間中の運動支援などいろいろ選挙運動を手伝った。
その時の論功行賞で、この4人はそれまでの人事のルール無視でトントン拍子に昇任したと記されています。
人事のルールがどのようなものだったのかはわかりませんが、異例の昇任だったのでしょうね。
3.選挙登用依頼行脚
令和5年下半期から次の知事選挙時の自分への投票依頼を始めているようです。
これも事前運動のようですね。
4.企業などからの贈答品
斎藤知事のおねだり体質は県庁内でも有名らしい、と書いています。
そのエピソードがまとめられていました。
- 視察先で、贈呈されたコーヒーメーカー。周囲にマスコミがいるからといって辞退したあとで、部下にあとで秘書課に送るように言っておけと指示してゲット。
- スポーツ連携協定を結んだ会社からPR用の写真で使用したロードバイク(約50万円)を無償貸与の形で贈呈された。
- 特産品のゴルフのアイアンセット(約20万円)が贈呈されている。しかも使いにくいからと再度別モデルをおねだりしたという情報も
- 驚異の衣装持ち。特にスポーツウェア。
- 視察先などを選定する際には、「何がもらえるか」が判断材料
- 貰い物は独り占め、出張先での飲食は、出先の首長や利害関係者を臨席させて支払わせている。
5.政治資金パーティー関係
斎藤知事の政治資金パーティのときに、県下の商工会議所、商工会に補助金カットをほのめかして圧力をかけ、パーティー券を購入させた。
斎藤知事の後援活動の責任者として依頼された人物が、当選後に信用保証協会の理事長に抜擢された、記載されていました。
6.プロ野球優勝パレードの裏情報
令和5年11月23日実施のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードは県費をかけないという方針のもとで実施することとなり、必要経費についてクラウドファンディングや企業から寄付を募ったが結果は必要額を大きく下回った。
埋め合わせに、信用金庫への県補助金を増額してそれを募金としてキックバック。
他の企業からも便宜供与の見返りとしての寄附集めをした。
パレードを担当した課長は、この不正行為と大阪府との難しい調整に精神がもたずうつ病を発症して休職中。
これを斎藤知事が指示をした、ということなのでしょうか?
7.パワーハラスメント
斎藤知事の気に入らないことがあれば、職員をどなりつける。
出張先の施設のエントランスが自動車侵入禁止のため、20mほど手前で公用車を降りて歩かされただけで、出迎えた職員・関係者を怒鳴り散らしその後は一言も口を聞かなかった。
幹部に対し、夜中・休日など時間に関係なくチャットで指示が送られてくる。
きっと、緊急の指示ではないけれど、勤務時間外に指示が送られてくるということですよね。
百条委員会の職員アンケート中間報告の内容(8月23日)
上の集計表をグラフにしてみました。
まとめ
今回は、斎藤知事のパワハラ疑惑で起こっている一連の内容と、告発文に書かれていた内容をまとめてみました。
勇気ある内部告発をされた元県民局長さん。
百条委員会で注目される方だったので、亡くなられてしまい真実にどれだけたどり着けるのか心配の声が高まってきています。
今後の動向を見守っていきたいと思います。
元県民局長さん、病気休職中に亡くなられたHさんの御冥福をお祈り申し上げます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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